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溶出成分の測定

1.アルカリ溶出試験

ガラスの化学的耐久性を評価する方法としてアルカリ溶出試験があります。
日本工業規格(JIS)をはじめ、各種海外規格に基づくアルカリ溶出試験を行っています。

1.日本工業規格JIS R 3502 化学分析用ガラス器具の試験方法

JIS R 3502 3.1 アルカリ溶出試験

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アルカリ溶出試験

2.日本工業規格JIS R 3503 化学分析用ガラス器具

JIS R 3503 6.2アルカリ溶出量試験
大阪事業所では、JIS R 3503 化学分析用ガラス器具 6.2 アルカリ溶出試験はISO/IEC 17025 試験所認定を取得しています。

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アルカリ定量

3.日本薬局方 注射剤用ガラス容器試験法 アルカリ溶出試験

①第1法(粉末法)
融封できる容器又は内容100mL以上の輸液用以外の融封できない容器に適用されま す。この方法ではガラスを粉砕し粉末状にした後、溶出試験を行います。


②第2法(表面法)
融封できない内容100mL以上の輸液用容器に適用されます。
この方法では容器の実容積の90%相当の水を加えて溶出試験を行います。
※注射剤用ガラス容器試験法の鉄溶出試験(茶壜)も行うことができます。

4.米国薬局方USP(The United States Pharmacopeia)

USPではCONTAINERS(容器)に対するアルカリ溶出基準として、ガラスのタイプ別に次のように定められています。


ガラスタイプ別のアルカリ溶出試験法

Type

General Description

Type of test

高耐性ガラス,ホウケイ酸ガラス

Powdered Glass Test

処理したソーダ石灰ガラス

Water Attack at 121℃

ソーダ石灰ガラス

Powdered Glass Test

①Powdered Glass Test

ガラスを粉砕し粉末状とした後に塩酸でアルカリ量を測定します。


②Water Attack at 121゜

容器に液を満たして溶出操作を行い塩酸でアルカリ量を測定します。


③Surface Glass Test(バイアル,ボトル,アンプルに適用)

容器に液を満たして溶出操作を行い塩酸でアルカリ量を測定します。


※CONTAINERS(容器)の基準としてアルカリ溶出試験の他にヒ素溶出試験(CHEMICAL RESISTANCE - Arsenic)も行っています。


5.欧州薬局方 EP(European Pharmacopoeia)

5.欧州薬局方 EP(European Pharmacopoeia)

EPではGLASS CONTAINERS FOR PHARMACEUTICAL USE として、ガラス容器のアルカリ溶出試験として次の3つの基準を定めています。


①TEST A(SURFACE GLASS TEST)

HYDOROLYTIC RESISTANCE OF THE INNER SURFACES OF GLASS CONTAINERS

容器に満たした液に対して溶出されるアルカリ量を測定します。


②TEST B (GLASS GRAINS TEST)

HYDROLYTIC RESISTANCE OF GLASS GRAINS


ガラス容器

タイプ1

タイプ2

タイプ3

0.02mol/L塩酸消費量(mL)

1.0 以下

8.5 以下

8.5 以下

0.02mol/L塩酸消費量(mL/g)

0.10 以下

0.85 以下

0.85 以下

③TEST C (SURFACE ETCHING TEST)

TO DETERMINE WHETHER THE CONTAINERS HAVE BEEN SURFACE-TREATED

容器内面を塩酸-フッ化水素酸混液で洗浄後に溶出試験を行います。

6.ISO 719 Glass -- Hydrolytic resistance of glass grains at 98 degrees C-- Method of test and classification

粉砕したガラスからのアルカリ溶出量を測定します。JIS R 3503対応の国際規格です。

2.食品衛生法の試験

食品衛生法に基づいて食品、添加物等の規格基準(昭和34年 厚生省告示第370号)として器具・容器包装は基準が定められています。

ガラス製品についても食品衛生法に基づいた試験を行っています。

ガラス製品では鉛を添加すると光の屈折率が大きいガラスができるため、光輝く高級クリスタルガラスには鉛が多く含有されており鉛が溶出する可能性があります。

規格値は製品の形状及び容量により異なっています。

検査は、鉛やカドミウムが溶けやすい食品疑似溶媒である4%酢酸で満たし、暗所に常温で24時間放置した後、溶液中の鉛及びカドミウムを測定します。

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検査例

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食品衛生法 食品・添加物等の規格基準、ガラス製の器具又は容器包装の分類と基準値

3.その他の溶出試験

1.JIS S2043 ガラスコップ に基づく有害物質溶出試験

ガラスコップは、食品衛生法では食品が接触する内面を対象として鉛、カドミウムの溶出量を規制しています。しかし、鉛やカドミウムを含む絵具で焼付加工された外面は規制対象外です。

日本工業規格「JIS S2043ガラスコップ」では、外面焼付加工に対する鉛、カドミウムの溶出限度を定めています。


JIS S2043の規格(有害物質関連部分のみ抜粋)

規格項目

規格値

外観(注)

焼付加工は内面前面及び外面の口部から10mm未満に施してはならない

焼付加工

プリント面

溶出試験の前後において顕著な変色などの変化が生じてはならない

製品1個あたりの溶出量が5mg以下でなければならない

カドミウム

製品1個あたりの溶出量が1mg以下でなければならない

注:窯業用絵具による焼付加工で鉛、カドミウムを使用しない金銀白金パラジウムによる焼付加工は除く

2.フレークス試験

ガラスびんの品質規格 7.13 フレークス試験方法

日本ガラスびん協会の定めたびんの耐アルカリ性試験で、主に酒瓶を対象としています。

溶出操作の後、溶出液中のフレークス発生の有無を目視により確認する試験です。

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フレークス観察風景

3.その他

ガラス製品中のカリウム、カルシウム、リチウム、マグネシウムなどアルカリ成分ごとの分別定量試験など、条件、手順などご希望に応じた試験も行っていますので、お気軽にご相談ください。

お問い合わせ先お問い合わせ先

大阪事業所 ガラス製品試験センター

〒578-0921 大阪府東大阪市水走3丁目6番14号
TEL:072(968)2227 / FAX:072(968)2221

E-Mail:glass-osaka@mgsl.or.jp